Q虫歯はどのようにしてできるのでしょうか?また、しっかり歯磨きをしても虫歯になるのでしょうか?
A虫歯は、虫歯の原因菌が口の中で酸を生成し、その酸で歯が溶ける(脱灰といいます)ことでできると言われています。通常は、歯ブラシがとどきにくくて歯垢(プラーク)がたまりやすい、歯の溝や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目などが虫歯の好発部位です。虫歯は歯の内部に向かって進行するため、内部の神経(歯髄)にまで虫歯が進行すると、歯髄に炎症が起こり強い痛みを感じます。言い方を変えると、歯髄にまで虫歯が進行していない段階では、虫歯があっても自覚症状がほとんどないか、強くは現れません。
また、歯磨きがしっかりできているようでも、歯ブラシのとどきにくいところに虫歯はできます。歯ブラシのとどきにくいところは、定期的にかかりつけのクリニックで歯の清掃を受けていただくことをお勧めします。
自覚症状のない方や、日頃から歯磨きを心がけている方も、3か月から半年に一度は定期的に歯の状態のチェックを受けることをお勧めします。
Q最近は歯周病の宣伝が多いように思いますが、歯周病とはどういった病気なのでしょうか?また、歯科医院で歯周病であると言われましたが、どのように治療するのでしょうか?
A歯周病(これまでは主に歯槽膿漏と呼ばれていました)とは、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに歯垢(プラーク)がたまる事により、歯ぐきに炎症を起こし、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしていく病気です。重症化すると、歯の周りの全ての骨(歯槽骨)がなくなり、歯が抜けてしまいます。 歯周病は慢性の経過をたどることが多く、自覚症状が無いないため、症状(歯ぐきがなんとなく痛い・歯が揺れる・膿の味やにおいがする)が出た時には、かなり進行している可能性があります。 また、歯周病は成人(とくに中高年者)の方だけの病気ではありません。歯周病は重症化すると治療がとても困難になるため、自覚症状がないからといって油断するのは禁物です。皆さんもかかりつけのクリニックで定期的健診を受けることをお勧めします。
次に歯周病の治療ですが、その原因である歯垢を除去することが基本となります。歯垢は食べかすではなく細菌の塊なのです。まずは歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスの正しい使い方を覚えて頂きます。また、歯垢と違って歯石は歯ブラシでは取ることができないので、クリニックで除去します。歯周ポケットの深いところまで歯石が付着している場合は、局所麻酔をして歯ぐきを剥離して確実に歯石を除去する手術も行うこともあります。歯周病は再発しやすい病気です。治癒した後も再び歯石がつかないように、毎日の歯磨きが非常に重要です。再発がないかを検査するために、定期検診が必要となります。
Qインプラント治療とはどういったものなのですか?
Aインプラント治療とは、失ってしまったご自身の歯のかわりに、主にチタン(合金)でできた人工の歯根を顎の骨に植え、その上に人工の歯を装着してかみ合わせを回復する治療法です。インプラントそのものは固定性ですので、ご自身の歯のように噛めるようになります。
Qインプラント治療の流れはどういったものなのですか?
A総合した治療期間は約半年とお考えください。*治療期間には個人差があります。
① 診査と治療計画:インプラント治療が可能かどうかの診査をしたうえで、必要な検査を行います。歯型や口腔内写真をとらせていただき、現状を多方面から把握するだけでなく、レントゲンやCT検査を行い、骨や周りの組織の状態を把握するのに役立てます。
② インプラント埋入の手術:歯の根に相当するインプラント本体(フィクスチャー)を手術により顎の骨に埋入する手術を行います。局所麻酔を使用して行うことが一般的です。
③ 治癒期間:インプラントは、その形はボルトのように見えますが、単に骨の中にボルトが入るのではなく、骨としっかりと結合するという特徴があります。これをオッセオインテグレーションと言います。骨にしっかりと結合するまでに約3か月~6か月の治癒期間が必要となります。*治癒期間は骨の質などにより個人差があります。
④ アバットメント(土台)の連結:人工の歯の土台となるインプラントの部品(アバットメント)をインプラント本体に装着します。
⑤ 人工の歯の装着:精密な歯型を採取して人工の歯を作製します。その後アバットメントの上に人工の歯を装着して完成となります。
⑥ メインテナンス:インプラントは、最終的な人工の歯を装着したら治療が終了ではありません。その後の定期的なメインテナンスを受けて頂いてインプラントの状態を定期的にチェックする必要があります。ホームケアとクリニックでのケアを併用してより良い状態を長く保っていただきます。
Qインプラント治療の費用はどれくらいなのですか?
A現在は保険治療の適応となっておりません。埋入するインプラントの本数や骨の状態により治療の内容は異なります。詳しくは(診療費リスト参照?)担当医にお尋ねください。
Q歯並びを治したいのですが、どうしたらいいのでしょうか?
A 歯並びを治すにはその程度にもよりますが、多くの場合、専用の装置を装着して歯の位置を動かす歯列矯正が行われます。矯正治療を行うことで歯並びを整えるだけでなく、正しいかみ合わせを獲得することができ、また、正常な歯列は虫歯や歯周病の予防にも有効です。さらには、健康な体と美しい笑顔を獲得したり取り戻したりすることができます。
矯正治療の方法にはいくつか種類があります。
ダイレクトボンディングシステムとよばれる、歯にワイヤーを装着して行う矯正治療であったりマウスピースを使った矯正治療などがあります。
当院では矯正の専門医が勤務しておりますので、歯並びに関してご相談がある際には担当医もしくは矯正専門医にご相談ください。
Q矯正治療を行う場合の治療の流れはどういったものなのでしょうか?
A 総合した治療期間は約2年とお考えください。*歯列の状態により治療期間には個人差があります。
① カウンセリング:歯並びに関してお困りな点をお伺いします。矯正治療の適応か、また、行う場合は、矯正治療を行う適切な時期を判断します。
② 診査と治療計画:矯正治療を開始するのに必要な資料を採取します。レントゲンや歯型、口腔内写真などが中心となります。
③ 矯正前治療:矯正治療を行う際には、治療で必要な歯を抜歯することがあります。これらの処置は矯正治療前に行うことが一般的です。また、矯正治療を開始すると専用の装置を歯に装着することになるので、虫歯の治療も矯正治療前に完了しておくことが望ましいです。
④ 動的治療:歯を動かす期間です。歯並びの程度にもよりますが、動的治療期間は約半年間から2年間とお考えください。また、その間の受診は約1か月に1度くらいのペースとなります。
⑤ 保定期間:動かした歯はそのままにしておくと自然と元の位置に戻ろうとします。そのため、正しい位置にとどめておくために、ある程度の期間(約半年~)は専用の装置を使って保定します。
⑥ メインテナンス:定期的に歯並びの状態をチェックします。